日韓歴史共同研究報告書は、見る事ができる

 公益財団法人 日韓文化交流基金
http://www.jkcf.or.jp/projects/kaigi/history/
というHPがあり、そこに、日韓歴史共同研究報告書
 第1期(2002~2005年)報告書(2005年6月公開)第2期(2007~2010年)報告書(2010年3月公開)がPDFですべて読むことが出来るようになっていた。日韓双方がお互いの論文についての批判文やコメントものせていたりする。

 ウイキペディアのこの「日韓共同研究」についての解説を見ると、韓国側の態度が偏っていて困ったような事が書いてあるが、そういう事もあったのだろうが、すべての分野では無かったのだろう。

 試しに、『◾植民地朝鮮における近代化と日本語教育 山田寛人  批評文(柳承烈) 批評文へのコメント(山田寛人)』というのを読んでみると、韓国での日本語の教育という物について、やはりぼんやりとしたイメージしか無かったが、ある程度詳しく知ることができた。

 こういった物を、日韓両国民が一応、知ったうえでさらに理解を深める努力をコツコツとしていかなければならなかったのに、やはり、「ドイツ・フランス共通歴史教科書」を作った独仏のようなレベルにまで持っていく力が無いのはリーダーの見識や政治力の差なのだろう。
 アマゾンを見ると、その教科書がどんな本か表紙は見る事が出来た。
 
 今、こんな歴史研究をやろうとする若い学生にはきっと日本では予算が今の状態ではおりないだろう。いいかげんな嫌韓本がはびこる現状がいつまで続くのだろうか?
 本を買わなくてすむから、この報告書を年代に沿ってぼつぼつと読んでみるかな。
 

日韓は、自由と民主主義、市場経済という理念を共有する関係

 今日の地方紙(信毎)に韓国の識者の意見が出ていて、読んでみると自分がぼんやり感じていた事が「そうだよな」とよく分かるように書いてあった。
 チョン・ジェジョンというこの方は、韓国の歴史学者のようで、東大の大学院にも留学した事がある人で、2002年~10年に日韓首脳会談の合意によって運営された「日韓歴史共同研究委員会」に参加していた方、現在はソウル市立大名誉教授との事。
1.jpg

 今回のこの日韓の対立の事態を、日韓双方が互いに相手の重要性について「無知」だという事の結果だ。と述べている。私は知らなかったのだが、2000年代の初めには、「日韓歴史共同研究委員会」が運営されて、2回にわたり報告書をまとめていたのだ。
 そういった努力を着実に積み重ねてきた人達にとっては本当に歴史が逆行するような悔しさを感じているのだろう。
 大体、そういった努力の結果が、政府、文科省、マスコミなどが、ちゃんと取り上げて国民に広めてきたのだろうか?

 チョン氏は次のようにも述べている。

『~「歴史認識の差」という難しい課題を解きほぐそうと、両国は知恵を出し合ってきたのだ。この共同作業の根底には、日韓が自由と民主主義、市場経済という理念を共有する関係にあるとの認識があった。~』
『~戦後、日韓が積み上げてきた相互依存の経験に目を向けなければ、「無知」がもたらす愚かさを繰り返してしまうことになる。~』

 日韓は、「自由と民主主義、市場経済という理念」を日本と共有している国だという事は、一般国民は良く分かっているからこそ、今まで通り民間レベルで交流を続けたい、また、観光や輸出入も今まで通りにやっていきたいと思っているのだろう。若い人達の感じ方も前にちょっと伝えられていたのをブログに書いた。

 政権は、一時、北朝鮮のミサイルについて「国難」と騒いでいたと思うのだが、今度はミサイルが発射されても「大して問題は無い」などと首相は言っている。竹島など韓国のすぐ近くの島の事を取り上げて返って韓国があたかも仮想敵国かのような騒ぎぶりである。
 何と言うご都合主義なのだろう。自分の政権の維持に有利となれば、真の国益などどうなってもいいという姿に本当に腹が立ってくる。

 今後の東アジアを考えると、朝鮮半島が何らかの形で統一の方向へ向かうかもしれないし、中国と香港や台湾との関係など、今後どのように激動の時代が始まるかも分からない。日本と韓国が本気で心を開き合って同じ理念で力を合わせて事態に取り組んでいく事が一番大切なのではないだろうか。

 「北朝鮮」の政治体制や、中国の政治体制、などと見て行くと、どれもその強権体制は我々が望んでいる世界とは言えないだろう。ロシアだってそんなに良い国には思えない。
 問題は、最近の日本が「韓国」というより、中国、ロシア、北朝鮮、のような雰囲気の強権的な国を目指しているのではないか?という気がしてくる事だ。報道の自由度ランキングが世界でもとても下がってきている事を見てもその事が言えるだろう。

 「嫌韓」「反日」などと叫んでいる人たちや、韓国を馬鹿にしたようなコメントをだしているテレビのコメンテーター達は、「自由、民主主義、市場経済、という理念」を共有する自由に物を言い合っている韓国のような国よりも、強権的な中国や北朝鮮などの指導者、プーチン首相(トランプ大統領も含まれるのか?)のような指導者に支配される方に喜びを感じている人達のように思える。
 

地方紙の良心

  テレビの昼のワイドショーでは、コメンテーターと言われるような人達が、口汚く韓国をののしるような事を言って、安倍政権が引き起こした日韓の対立を煽る様な事を言っているそうだ。(ネット情報によると)
 現在の日韓対立で一体、普通の国民のだれが利益を得るのだろう?
 そういった番組は不愉快になるので、最近スイッチを切って見ないので良く実態が分からないのだが、スイッチを切る前にちょっと見れるので、「ああまた始まった」という感じで内容は想像がつく。

 ネット情報では、これも最近、安倍政権の批判をやめてしまい、私も見なくなったテレビ朝日の「ニュースステーション」で、その原因となった、政権批判をするキャスターなどをどんどんやめさせた、安倍首相の意をくむ社長の息のかかったプロデューサーだかが、番組関係者へのセクハラ、パワハラ、がひどく辞めさせられたという話が出ていて、その実態の想像もつく。

 そういった昼のワイドショーなどのテレビを見て楽しんで煽られている国民もいる訳で、そんな様子は、ローマ帝国末期の「パンとサーカス」状態なのだなあ~という気がしてがっかりしてくる。

 そんな気分の時に、昨日の日曜日、地方紙(信濃毎日)の4面、5面、の識者の論説や社説の面を見たら、「これはいいな、テレビやネットを見ない主義の人でも、暇も無く読書や、テレビやネットなどの細切れ情報を色々と見ていない人でも、こういった人たちのまともな最先端の考えを知る事が出来るなあ~」と感じた。
1.jpg

論説は、・保坂正康の『「昭和史もの」多角的検証を』
   ・金子勝 『増税の秋 重なる経済リスク』
   ・森永卓郎 『畑付きの家に農業の可能性』
社説は、『日韓と強制動員 果たすべき責任はなお』
 
 といった物で、私が暇な時間を費やして、テレビやネットで見た物や、断片を見て「そうだな」と思ったり、疑問に思っていた事についての答えだったり、日韓問題についても、いまいち完全にとらえられない全体を、俯瞰して良く分かるように説明がなされていた。

 東京新聞などは、さらに面白いのだと思うが、テレビもこのくらいな地方紙レベルの良心があれば、日本も変わっていけるのにと思わざるをえない。