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zoom RSS 昭和14年の「小学四年生」を見てみた

<<   作成日時 : 2014/10/20 23:38   >>

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小学館の「小学〇年生」という雑誌が休刊になったのを最近テレビで見た記憶がある。
 私は、あまり見たり読んだりした記憶は無いが、年配者なら何となくどこかで見ていた記憶のある有名な子供向け雑誌だ。

 ウイキペディアで見ると、戦後は色々なマンガも載っていた事を知った。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E9%A4%A8%E3%81%AE%E5%AD%A6%E5%B9%B4%E5%88%A5%E5%AD%A6%E7%BF%92%E9%9B%91%E8%AA%8C

  さて、その雑誌なのだが、もう人の住まなくなって久しい親戚の家を壊した時に、捨てる古本の中に、昭和14年7月号の一冊があったので家に持ってきてあった。

 最近、それに気づいてあらためて見てみると、その頃の日本が、今の北朝鮮のような、おかしな国だったのだなあ、としみじみ感じる。
 
  現在、国会議員が大挙して靖国神社にお参りし、先日も女性3大臣がお参りし、戦前さながらにNHKはじめ、多くの雑誌や新聞があたかも安倍政権の広告塔のような事をするような時代になってしまった。
  歴史を知らない、靖国神社にお参りするような世襲二世、三世議員達は、こういった戦前の雑誌の雰囲気、今の北朝鮮のような時代に戻そうとしたいのですか?

 表紙 小学四年生 これを読んでいた人たちは今、80代のはじめという訳だ。
 当時こんな本を買ってもらっていた恵まれた小学生はそれほど多くは無かったかもしれないが。
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 表紙を開くとまずこの絵。「大防空演習」
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 「がう がう、空をゆする爆音とともに、たちまち帝都上空にあらはれた仮装敵機の編隊!!これを追撃する戦闘機の群。高度が計られ、照準が定められると見るまに、たちまち、高射砲はつるべうちに切ってはなたれた。護れ大空!!たゆみない演習の結果、わが帝都の空は、常にその安全をまもられるのです。」

 目次があって、次はこんなページも。調べてみると戦後この下の写真の一番右の板垣陸相は、東京裁判で死刑になって靖国神社に祭られていた。
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 当時の雑誌は、マンガでなく、絵やイラスト入りの文章が中心だが、軍隊などに関するものも多く、昔の武士の話、普通のいわゆる正常な色々な子供向けのお話や科学などのものも、戦争などに関連させた内容や,皇国的な内容に無理にこじつけて少し関連させているものも多い。

 日独伊三国同盟が結ばれた後なのだろう、子供の頃のムッソリーニ、ドイツ人の子供と仲直りする物語、等々、色々なものが戦争や軍隊に関連付けられて、子供に政権の考えをしみ込ませようとしている。というか、検閲などがあるから、時流に乗ろう、乗らないと、とこじつけている感じがする。そういった姿勢は、現在でも政権の方針におもねるマスコミの中にあるのだろう。

  小川未明、大仏次郎、など有名な作家の作品もあるが、未明の創作童話も鉄が足りないので大切にする話だったり、大仏次郎は楠木正成の物語だったり、時流にそったものである。

  しかし、中に写真のページで、アメリカや英国の写真ニュースが1ページあったり、浜田廣介の全く時代の風潮と関係ないような「子ぎつねのお振袖」などという短い童話も入っていた。
  最初の部分などを少し写真で紹介。
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 さらに中に、きっと以前は入っていなかったのであろう小学校4年生向け雑誌には場違いなこんな物が入っていた。それは『訓話』というものであった。
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   興味深い内容だったのでここに全文を載せてみよう。(仮名遣いは現代になおす)

『今度の事変で、支那はすっかり打ち負かされ、特に支那の空軍は、我が軍によって、まったく身動きが出来ぬほどに、やられています。
 それだのに、日本は今、なぜ大空の護りをしっかりととのえなければならないのでしょうか。それは、これから新しい東亜を、建設するためには、どうしても支那を援けている、たくさんの空軍を持った国に対して、日本国内が,先ず空襲を受ける心配のないようにしておくことが、何より必要であるからです。
 現代(今)の戦争では、国外も、国内も、ひとしく戦線であります。防空は、銃後の務めであるなどという生やさしい時代でもなければ、国防の第二線であるなどという状況(ありさま)でもありません。
 実に防空は、国防の第一線であって、全国民は最も面倒な、防御正面(まともに向かってふさぎささえる)の戦を、引受けているのであります。
 そこで、小学生の皆さんに何より、必要なことは、この戦にのぞむため、即ち、国土防衛を実施(行う)する為の心構えが、出来ていなければならないことです。
 防空の為には、焼夷弾(物をもやす爆弾)からの火災を防ぐ為に、水を運ぶバケツも必要でしょう。又灯火管制をやるための、各種の隠蔽材料(物をかくしおおうもの)などもいるでしょう。
 だがしかし、これ等のバケツや隠蔽材料を使う人々の心構えが、しっかりしていなければ、何の役にも立ちません。
 小学生の皆さんは、両親や、先生方から、空襲を受けた場合に、なすべき事を、よく教えていただいて、平常からよく準備(用意)し、よく訓練して、いざという場合には、油断することなく『さあ、来い』『必ず勝つ』と、いう信念(かたく信じている心)を持って防空が出来るように、望んでやまぬ次第であります。 −おわりー  』

 というものです。

  日本各地の大都市に住んでいたこれを読んでいた小学4年生たちは、後6年後くらいたった15歳くらいの年に、実際に空襲にあう訳です。バケツを準備して訓練をして心構えを持っていた若者たちはどうなった事か。

  15歳と言えば女学校くらいでしょうか、今年の夏、放送された長崎原爆投下の爆風を扱った番組で亡くなった女学生の事、東京大空襲の事を扱った番組、今江祥智の大阪大空襲の出て来る児童文学、ジブリのホタルの墓、等々そんな場面が思い浮かぶが、その後の小学4年生がどうなったのか、タイムマシンにのらずとも、現在の我々は知ることが出来る。

  戦犯の合祀されている靖国神社に参拝している国会議員たちは、こういった歴史全体の何事も学ぼうとも、理解してもいないのだとしか考えられない。

  それに、この「訓話」を読むと、やはり軍人であるので、全く荒唐無稽な事を言っている訳でなく、ある意味、現実をとらえてはいる話である。
  すでにアメリカとの戦争を想定して備えさせようという訳だから。
  そしてアメリカの空襲を予想しているのだから。
  高性能の日本の戦闘機などによって、中国空軍はかなりやられてしまっていた事も確かだ。

  でも、この陸軍中将の想定を遥かに上回るその後のアメリカの科学力、産業の力、また中国の底力であった訳で、要するに状況を「全く甘く見ていた」「想定外」という事になる。
  これは今の時代にてらしても、尖閣諸島問題や原発事故についても当てはまる事だ。

  電力会社や経産省、政権のやっている事は、地震や、津波、噴火、テロ、それぞれを想定して、『心構えをしっかりし、よく訓練し、バケツなどを準備』しておこうというような程度の事なのだろう。
 多少津波用の堤防を高くしたり、予備電源を用意したりすることは。

  でもいざ、本当に巨大な自然災害が起こったら・・・例えば原発直下や近くで地震でも起こって断層がずれたら・・冷静に考えたらどうなるか分かる事だ。

  今回の福島原発でも津波による電源喪失が原因と言っているが、あれほど遠く離れた震源からの揺れで配管など壊れたのが事故の原因でもある事は国民の大多数が感じている事だ。

  尖閣諸島だって、石原前都知事の行動がきっかけで、確かに中国は挑発的な動きで日本をけん制しているのだが、もし、万一、中国が本気で日本に戦争をしかけるような事態になったら、現代の戦争では、中国にはミサイルもあり、日本の海岸は原発だらけで、日本の破滅以外の何物にもならない事が「尖閣、尖閣」と騒いでいる人たちには想像できないのだろうか?

  山谷大臣は尖閣諸島まで出かけ、船上慰霊祭に参加した人だと知って、またそういった人を選ぶ安倍総理の、その現実感覚にあらためて驚いてしまう。

 その頭の中は、まさかこんな昭和14年の小学4年生の雑誌のようでは無いと思いたいのだが・・。



 

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