NHKプロフェッショナル 仕事の流儀で、発達障害を扱う精神科医を

 昨晩の、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で、発達障害をあつかう精神科医を放送していた。
 以下の様な内容。

『プロフェッショナル 仕事の流儀「精神科医・本田秀夫」』

『見えにくい障害”とも呼ばれる発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害など)。信州大学医学部附属病院の精神科医・本田秀夫は、発達障害を専門にする日本屈指のスペシャリストで、乳幼児期から成人期まで長期にわたって診察を続けるという世界的にもまれな臨床経験を持つ。「“普通”とは何か?」「幸せに生きるとは?」そんな根源的な問いを胸に、自信を失った人々の生き方を肯定し、寄り添い続ける。
【出演】精神科医…本田秀夫,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり』

 番組を見て印象に残った事は、本田医師は、発達障害を個性という風に位置づけ、その子の個性が生きやすく発達しやすいようにカウンセリングを行い、さらに人生全体という見通しを持ってサポートしていくという物だった。

 本田医師は若い時から精神科医を目指す。そして発達障害の子供に取り組むのだが、初めの頃は、その行動を治すという当時の風潮に従って努力するのだが、うまくいかない。
ある時、自分の父親が発達障害的な所のある人だが、様々な事に挑戦、人生を楽しみ充実の生き方をしている事に気が付き、発達障害を個性としてとらえて、さらに長いスパンで見て良い方向へ持って行くという風に方針を転換してやってきたようだ。

 本当に小さい頃から見ていた子供が大きくなって家庭での相談をしに来ている女性も出てきたり、小学校で不登校になっていた子が高校生くらいで個性や能力を発揮するがまだまだ不安定な行動をとるのをサポートできるようなカウンセリングをしている様子が紹介されていた。

 不登校が増えている事の原因に発達障害が増えている事や、義務教育の管理的な方向が少しも改善されず、ますますおかしくなってきている事も原因かなという気がした。

 私が義務教育の現場にいた時、まず「発達障害」という事を知る前は、単に態度が悪いとか、家庭の育て方が原因、といったような風にとらえてしまって、全く間違った方法で子供に接していた事があり今でも強く後悔しているが、そのうちに「発達障害」が原因で色々な学校生活での問題が起こって来る事を知り、その段階でまずちょっと目が開けた感じで、接し方を変えようとしたし、我々も知識を得る事で救われる面もあったのだが、行動を抑え、目の前の学校生活が普通に送れるようにるために「薬」に頼るとかが良い方法と私は思うくらいな段階で、退職となってしまったのだが、こういった番組を見ると、もっと良い方法を選んでいかなくてはいけないのだなあ、と分かる。

 私は小学校で担任した子を追跡してフォローしていった事は無いが、確かに、自分が小学校低学年で担任していた子が、中学生で部活で活躍するようになっていった子とか、中学になって不登校になったが、フリースクールに行き、才能を開花させて一流企業に就職して活躍している子の事など、伝え聞いたこともあり、やはり長い目で見ないといけないのだなあ、と感じてもいる。

 この医師のような考え方でないとダメなのだろうなあ、と思う。

 ただ、こういった医師にかかる事が出来る人がすべではないので、番組に出て来た子供達は、不登校になり、さらにこのような信大付属の病院で、こういった先生のサポートがあって成長していく訳で、日本全体がこういった方向を推し進めるには、現在の学校教育を大幅に改善していく必要もあると思う。
 そういう事によって普通の子にとってもより自由に自分の個性や能力を発達させることが出来るだろう。普通の義務教育の在り方も、クラスの人数をオランダとかフィンランドなどのように少なくし、また教員の数を増やし、質も高める事や、色々なタイプのフリースクールの存在を認めて国が支援していくとか、そういった全体としての大きな流れが必要だと思う。

 こういった根本的な事に関心が無く、道徳教育をやって愛国心を育てれば良い、教育は産業界の要請を重視すべきだ、などと言ったようなレベルの事しか考えられない政治家たちが文教行政で力を持って現場を動かそうとすれば、本当に悲惨な状況になってしまう事が分かる。しかし、前川氏などの話を聞けば、現在はそういった状況なのだろう。

 この頃、NHKでは「発達障害」についての番組を色々とやっているが、良い事だと思う。以前、発達障害の子への接し方を変え、それによって脳の発達が変化していく事を研究して実証もされてきた女性医師の事も、NHKの番組で取り上げ、私もブログに書いた記憶がある。あの番組も印象に残った。

 ただ、重い自閉症などの場合は、今回放送されたような方法だけでは無理なのではないかなと私は思うし、もちろん色々な場合についてそこでも研究されたりしているのだろう。
 今回の例は、今回の例なのだと思うが、今後、こういった医療や研究もものすごい予算を投入する価値のある事だと思われる。

 間違っても「軍事費」「防衛費」などに莫大な予算をつぎ込むべきで無い。それは全くのムダ金であり、さらに悲劇へと日本を招く金だ。過去の日本で戦艦大和など巨大戦艦につぎ込んだ金の顛末を考えてみよう。