長野市への堤防決壊の連絡、正式には無かったのだ

 NHK始め、マスコミが、長野県の長野市の堤防決壊について、「国交省が堤防決壊を発表したが、長野市が住民に伝えなかった。」だから市に責任がある。市は何をやっているのか、問題だ、という感じの報道が行われている。
 各、マスコミが同様な放送を繰り返していたので何となく地元の長野市がボンヤリしていてダメな印象があり、あまり良い気持ちはしなかった。

 ところが、今朝の地元紙(信濃毎日)の記事を見ると、事実は、そういったマスコミ報道と少し違っている事が分かった。
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 記事によると、国土交通省から千曲川堤防が決壊した、という情報は地元の長野市には正式に伝えられていた訳では無いという事だ。
 避難指示などの方は、情報は、12日の夜には地元の千曲川河川事務所から伝えられた情報を元に長野市が出していたのだが、『堤防決壊』という河川事務所からの連絡は無かったという事が分かる。

 午前4時頃まで、河川事務所と市は、状況について盛んにやり取りしあっていて、「穂保(長沼地区)で住宅の2階まで水が来たとの情報があり、千曲川堤防の決壊の恐れがあります」と午前4時40ごろ、市の防災メールでも出していたのだという。

 国交省が堤防決壊を確認したのは午前5時半、6時に国交省北陸地方整備局が「堤防が決壊したもよう」とHPなどで報道機関向けに発表したという。ただ、この情報は市には直接伝えていない。

 水防法では、洪水の恐れがある時には、住民などに情報を周知しなければいけないとして、「氾濫危険情報」などの4種類の情報を出す元は市にも伝わっていたのだが、「堤防決壊」そのものを伝えるという制度上の規定というか項目は無いようで、そのため、市へは正式に伝えなかったようだ。
 河川事務所は、いつ決壊してもおかしくない事は何度も市に伝えていたという。ただ「今、決壊しました。」とは伝えていず、市長も「後から考えれば、確認すれば良かった」と語ったという。
 
 市が決壊を把握したのは、現場を映し出すNHKのニュース映像だったという。
 午前7時の河川事務所との電話連絡では決壊は既成事実化していたという。
 
 つまり、今回の連絡の不徹底は、第一に制度上の問題であり、また河川事務所と市の双方で、事務所側は市も分かっているような気がして規定にも無いので連絡をあえてしなかったり、(お役所的対応と言えるだろう)市側では、避難している住民が戻るという事について考えていなかったりなど、双方で想像力を働かせなかった対応が問題視されるので、一方的に市が悪かった、というような物では無い事が分かった。

 やはり、こういった問題は、「破堤自体も周知させる」といった項目が無いという制度上の問題点がある事を第一に指摘すべきで、何か長野市がボケッとしていて悪者だ、というようなNHKをはじめとしたマスコミ報道はおかしいのではないか?何となく「印象操作」の臭いすら感じさせる。

 そんな気がこの記事を読んで感じられた。
 特に、まずは国の制度的な問題は厳しく検討されるべきで、国民がこういった小さなことからしっかり考える様に出来る元を提供していくのがマスコミの役割なのだろう。一方的に悪者を作って国民の意識を誘導するような風になっては、まともなマスコミの役割を果たしたと言えないだろう。