NHK・BS1スペシャル「マンゴーの木の下で」などを見る

 この番組は、終戦の日ころにやっていたような気がするが見すごしてしまい再放送を昨日やっていたので見てみた。

 内容はこのようなもの
『戦時中のフィリピンには、移民や商社マンなど多くの日本人家族が暮らした。しかし米軍進攻で楽園の島は一変。人々は日本軍の指示で逃避行を強いられた。米軍やゲリラの襲撃。そして飢餓。死が覆うジャングルは、母と子、兄弟姉妹を引き裂いていく。それでも地獄を生き抜こうとする人々。』

 フィリピンのマニラなど、戦前から移住した日本人が住んで、それぞれ幸せな生活を営んでいた。現地の人と結婚して家庭を持って子供が成長している人もいた。戦争が起こり、昭和17年、日本軍が侵攻して占領する。それに伴って、日本からタイピストなどの仕事の需要が増え、そのために来た若い女性も多かった。

 昭和19年、アメリカ軍が侵攻して来た時に、現地の45歳以下の一般の男性は軍隊にとられただけでなく、一般の女性や子供達も軍と一緒にマニラを離れて軍と共に山岳地帯へ避難する事になった。
 マニラの日本総領事は、女、子供は残ってアメリカ軍に投降するように軍に求めたが、捕虜となる事を許さなかったという。
 そして日本軍と共に山岳地帯を逃げ回り、次第に消耗していく。3000人の人々が次々に死に、半分ぐらいになったようだ。しっかりとした資料も残っていた。

 当時、子供として生き残った人達が、80,90歳代でまだ、話を聞ける人たちが何人か残っていて、その方々の話や、当時、母親だった人たちの手記、従軍看護婦として一緒に逃げていた若い勤め人の女性たちの手記、を元に当時の様子を再現していた。

 私は、レイテ戦記を読んだり、以前に見たNHKスペシャルでルソン島の日本軍の壊滅についての番組を見ていたので、(昨年もフィリピンで取材した番組があったが)軍隊がどうなったかについては多少知識があったが、一般人もこのような被害にあっていた事を初めて知る事が出来た。本当に、軍隊の壊滅と同様に悲劇だ。

 こういった番組が、当時の体験者が生きているうちに作られなければ大勢の現在の人達にも実感も無く、知られることなく埋もれてしまっただろう。
 
 日本軍がフィリピン人をゲリラとして殺したりするような事も子供達は見ていたり、また逆にゲリラに家族を殺されたりする場面もあった。何より、空襲や砲撃の中、雨期の山中を逃げ回り、どんどんと幼い子供が死んでいく悲劇は、これが戦争の実態だと本当に知らされる。
 
 こういった番組を見ると、当時の日本軍部の戦争責任という事を強く感じる。もちろん戦争を起こした事や、作戦上の事もそうだが、女性や子供などの一般人を投降させるという領事の判断を認めなかったのは軍部だった訳で、現地の司令官だったのか、中央からの指示なのかそういった決定を下した事について、戦後もうやむやになっているのだろう。
そういったいいかげんさが、今、再び美辞麗句で戦争を美化する勢力が大きくなっている原因でもあるような気がする。

 番組でも家族すべてを失い、そこを子供で生き抜いてきた老人の方が、「慰霊って何ですか、慰霊なんて私は分からない」と言っていた姿は、幸せに暮らしていた家族を地獄に落とした戦争というか、軍隊というか、国家、そして今また、その事へのまともな反省も無く「慰霊」「英霊」といったような言葉が独り歩きしているのに対して何か怒りのような気持ちを感じているように私には思われた。

 この番組は、再放送であったが、同じ日に「隠された戦争協力 朝鮮戦争と日本人」というBS1スペシャルがあって、米軍基地で働いていた日本人が少数だが実は朝鮮戦争に参加していた事実を伝える番組だった。これは、日本、アメリカ双方にとって隠されねばならぬ事実で、アメリカ側の極秘文章によって明らかになり、日本でも本人に取材し、明らかになったものだった。
 (アメリカの公文書管理はすごい。日本は後進国だなあ)

 朝鮮戦争はアメリカにとっても厳しいもので、参加したり、戦死した日本人を調べるため、当時のアメリカ兵だった人に聞いてみると、その実態が分かり、また当時の韓国の人達の苦難、悲劇にも少し触れていた。日本人が戦死した韓国の場所へその弟が行き、実感する場面などもあった。
 現在の日韓問題を考えるにあたっても、朝鮮戦争について、我われも基礎知識としてその実態をもっと知るべきだと思う。
 もし、終戦の決断がもっと遅れ、日本がソビエトとアメリカの分割統治になっていたら、朝鮮戦争のような事が日本本土で起こっていたかもしれないのだ。
 朝鮮戦争の実態をちょっと垣間見れた番組であり、今後ももっと朝鮮戦争について日本人に知らせる番組を作ってほしい。

 さて、終戦の日、お盆、等も終わり、この時期に放送される番組も終わる、良い番組が続いたので、ついブログで感想をかくようになってしまうが、そろそろ他の事もやらなければ。

 しばらくブログは夏休みにしようと思います。