NHKスペシャル 全貌 二・二六事件 ~最高機密文書で迫る~を見た

 今日は、終戦の日だ、日本がポツダム宣言を受諾した事、すなわち敗戦となった事を天皇が国民に知らせた日だ。その日にちょうど合わせた番組として放送されていた。

 番組は、陸軍将校が起こした二・二六事件を、海軍側が極秘に記録していた最高機密文書が最近、発見され、それに基づいてこの事件を再現したもの。この資料は海軍の上層部だけが知っていたものであり、これまで全く知られていなかった第一級の資料だという。

 海軍は陸軍と距離を置いて、秘密裏に陸軍側の情報を収集していて、この事件の全貌がはっきりと分かるものだった。今まで二・二六事件の関係のテレビ番組やドラマ、映画なども色々と作られているのだと思うが、これほど客観的に詳しく全体像が分かる物は無いであろう。従って内戦が起こりそうな危機的な状況が、非常に臨場感があり、タイムマシンで過去に戻って見ているような感じの迫力があった。

 海軍は、この事件が起こる1週間も前に、憲兵隊からの通報で、事件を起こす首謀者や殺される政治家などもちゃんと分かっていた事がこの資料から伺えた。つまり分かっていながら何も対策も取らず、黙認していたという事になる。
 また、陸軍上層部のいいかげんな対応から青年将校を利用したといってもいいような状況もはっきり分かる。

 番組では、この二・二六事件を境に、陸軍には何も言えないという空気が、政治家や財界人、人々に広がったり、事件の収拾に動いた天皇の力が結果として強まって、それを利用して軍部が暴走し戦争を起こし、事件から9年後には壊滅的な敗戦の日本となってしまった事を述べ、この事件が戦争へと進む大きなターニングポイントとなっている事を示した。
 また、このような秘密の文章が国民の知らない所で作られていたような状況が日本を誤らせたのだが、現在の日本でもそういった事が行われているのではないか、と国民に問いかける様な最後の部分であった。(どういう風に言ったかちょっと正確には思い出せないが)

 NHKのこの番組を作った人達も、現在の日本で公文書などが国民の目の届かないところで、改ざんされたり、黒く塗られてしまうような状況。またさらに恐ろしく感じる事は、文民統制など出来る能力の無い防衛大臣が生まれていた現在の状況。アメリカとの密約なども一部の政治家などしか知らずに国民の目から隠されている様な現在の状況に、当時の日本と変わらない物を見て、大きな危機感をいだいているのではないか、と番組最後の言葉に共感を持った。

 この番組の再放送は、8月18日(日)午前0時35分~1時47分(17日深夜)
 先日のNHKスペシャル、かくて“自由”は死せり ~ある新聞と戦争への道~は、13日深夜にやったようだが、これも深夜の再放送だ。
 こんな時間に再放送をやっても、家のテレビのように録画機能が無かったり、録画装置が無い人はおそらく見る事が出来ない事だろう。それほどテレビをいつも本気で見ていない人で、前回を見ない人が、あらためて目に触れる事も無いだろう。せめてこういった国民が知らねばならない重要な番組は11時頃からやればいいのにと思う。
 それこそ「公共放送」の使命ではないのか。