NHK・BSダークサイドミステリー「発見!?ナチス黄金列車の謎~奪われた財宝の闇伝説を見て

  番組紹介の文章は以下のような物

 『財宝300トン!伝説の黄金列車発見?ついに明らかになるナチス財宝の謎。ヒトラー恐怖の略奪経済とは?戦火の黄金列車を襲う略奪の嵐が現代に…?想像を絶する闇の実話。

 第2次世界大戦の都市伝説「黄金列車」!ナチスドイツの財宝300トンを満載した列車が、ヨーロッパのどこかに隠されている?ついにポーランドで発見?世界注目、空前の宝探しの結果は?実在した4000億円黄金列車!戦火を走る列車を襲う、敵味方入り乱れた略奪の嵐とは?財宝はどこから?ヒトラー恐怖の略奪経済とユダヤ人の悲劇。なぜ人々は最悪の差別と略奪を黙認したのか?あなたも危ない?人間の欲望の闇の実話に迫る。』

 という内容、番組紹介を見て、ちょっと面白半分の気持ちで見始めたのだが、内容には重要な知識が入っていた。
番組に出てきたホロコーストの研究者は、ホロコーストというのは単なる殺人では無く国家による「強盗殺人」なのだ、と言っていたのが番組を見て納得、とても印象に残った。

 ナチスが戦争を拡大させて行ったのは『略奪』によってその富を使って軍備を整え、戦争を拡大させ、さらに略奪を重ねていった構図が解説されていた。他国に対してだけでなく、自国や占領地のユダヤ人についてもナチスの方針で合法的に「ユダヤ人強盗殺人」を行ってその富を奪いそして皆殺しにしていたという構図が良く分かるように解説されていた。

 こういった「物欲」が戦争、虐殺に関係していくという事は意外と今まで自分には意識されなかったような気がする。
 戦争、虐殺の原因というと、人間の抑圧された攻撃性や、ナショナリズム、人種差別、などの方へ注目が行っているが、この「物欲」というのも戦時における殺人のハードルを下げて行く事が良く分かった。また、こういったナチスのような悪が民衆に行われる過程で、される方は、抵抗せず従順に従っていくうちに結局、殺されてしまったり、する方も、最初はその方針に抵抗感があるがしだいに慣れたり同一化して、ナチス化していく。人間はどんどんそのダークサイドの闇に飲み込まれて行く事も解説されていた。

 こういったダークサイドがわれわれだれもが心の中に持っているのだ、と解説者の一人が語っていた。番組を見るとナチスは見るのもいやになるようなひどい事をしていたのだ、という事が良く分かるのだが、同じ時代の同じファシズムの国であった日本が朝鮮半島、中国、アジアの国々を侵略し、戦争してやっていた事は、多分、ドイツと同じような事をしていたのだろう、と思い当たった。

 番組ではその事には一言もふれていなかったが、日本軍の中国での略奪は色々と知られているが、韓国でも植民地にする中でおそらく略奪的な事を多くやってきたのだろう。慰安婦や徴用工の問題も根本的にはそういった問題だと思う。満蒙開拓団の土地は地元の農民の土地を奪い、そこに入植させた事も知られているのを思い出した。韓国や中国では過去の歴史についていつまでもこだわっている訳が分かる気がする。

 この、面白半分のような番組で語られていた内容は、はからずも日本人が近代の自分のダークサイドの歴史を知らなければならないという事も知らせているような気もした。
 最近、政治家や文化人の中にはナチスやヒトラーを礼賛したり、利用すればいい、などという人がいるようだが、「ヨーロッパでそんな事を政治家が言ったら、即アウト、政治家はやっていられない」という解説を当時どこかで見た記憶があるが、本当に、この番組を見ればナチスの本質が分かり、そう言われる意味が良く分かる

 そして現代の日本でも「振り込め詐欺」のような老人から金をだまし取っても良い、というような「物欲」に支配された考え方をする若者もいるわけだが、それは殺人して金を奪うという所と紙一重なのだろう。(現にそういう事件も起こっている)
 また、金もうけのためなら武器の商売に手を染めたり、経済優先という名のもとに「物欲」を国民に展開して自己の権力を手にしていく政治家や経済人によって羊の様な無抵抗な国民が、こういったホロコーストのような悲惨な世界に迷い込まされてしまうのはそれほどありえない事ではないのだろう。