核廃棄物の乾式貯蔵 サイエンスZEROを見て

良く、核廃棄物の『乾式貯蔵』という言葉を聞くが、どういうものだろう、と思っていた。

 昨晩、何となくテレビのチャンネルを回していたらNHKEテレの「サイエンスゼロ」という番組が出てきた。
http://www.nhk.or.jp/zero/re_bc/index.html
この番組は面白く良い内容をやるのだが、あまりテレビを見る時間帯でなく、しかもEテレで、いつも見る事が少ない。
 昨日は、福島第一原発、3号機の使用済み核燃料の取り出しについて、その問題点や技術開発についてやっていた。

 とても、興味深い内容だったが、その中の一部で、使用済み核燃料乾式貯蔵の方法について紹介されていた。

 使用済み核燃料は、日本では、ほとんどが水の入ったプールに保管されているわけだが、プールであるので、色々な災害によって壊れる事があり、今回のような大事故にもつながるリスクのあるものだ。

 乾式貯蔵というのは、とても大きなカプセル状の金属と樹脂で作った入れ物の中に使用済み核燃料を入れ密閉、封印される。
 すごく厚い鋼鉄などの覆いによって放射能がさえぎられるとともに、覆いの中に銅の板が入っていて、それが、覆いの内部構造の中で、エンジンについている羽のような感じになっていて、使用済み核燃料から出る内部の熱を外部に放出し続けるように出来ているものだ。

 福島原発の中にもいくつか置いてあったが、今回の津波などでも大丈夫だった。ただ、あまり熱いものは、この方法ではだめなのでプールである程度冷やしてからでないと入れられないのだそうだ。

 しかし、見ていると、これの方が、まだまだ、プールなどに入れておくよりずっと安全だという事が分かる。
 
 先日、山口県の知事選で惜しくも破れた飯田哲也氏が、原子力産業の仕事に携わっていた当時、私の最後に関わった仕事がこの『乾式貯蔵』についてだった、と言っていた事を思い出した。

 そして、日本ではこの「乾式貯蔵」がほとんど使われていないのだが、その原因というのは、「核燃料サイクル事業」で使用済み核燃料を使う予定にしていたため、乾式貯蔵の方法で密閉、封印してしまわないのだという。

 ところが、ご存知のように核燃料サイクル事業は事故続きで、全く頓挫してしまっていて、使用済み核燃料は、日本中の原発のプールの中にあふれてしまい、いつ福島の3号機のような事にならないともかぎらないリスクを日本中に抱える事になってしまったのだ。

 「乾式貯蔵」という事について、(その映像もあったが、撮り忘れた。再放送時、わすれなかったら撮っておこう。)知ったこと。
 また、どうしてそれを使わないでいたのか、という理由についても理解できた番組でした。

 そういった事も、知っていないと、核廃棄物の事も考えず、ただただ電力が足りないから原発を再開、などと気楽に言ってしまう事だろう。

 この番組を見て感じた事として、核燃料廃棄物や廃炉などのやり方についても、今後、人類全体に役立つ大きな産業や科学技術の発展の分野があるのだから、脱原発=原子力技術衰退 という訳でなく、核廃棄物をいかに処理していくか、廃炉をいかに進めていくか、という事も大きな分野としてこれから、原子力関係者が取り組む全うな大きな課題なのではないだろうか。

 今回の「サイエンスゼロ」の再放送は、8月11日お昼の 0:30~となっていた。